レビュー：Pilot キャップレス マットブラック EF その１ Category:筆記具 Date:2014年06月10日 今や万年筆は実用筆記具の座を退いて久しく、書式や文書に使用出来る色などにかつての隆盛の痕跡をかすかに窺い知ることが出来る程度になってしまいました。 完全に万年筆が趣味の筆記具になってしまったと言うと少々語弊があるかもしれませんが、現状、一般筆記にはペンシルやボールペンが用いられるのが一般的ですね。 パイロット社が初のキャップレス万年筆を開発したのが1963年ということなので、何と半世紀もの歴史を持つ製品になります。途中、生産されてない時期もありましたが。 当初、キャップレス万年筆は回転繰り出し式だったと聞いています。現在販売されているキャップレス万年筆はパイロットのキャップレス三兄弟、ラミーのダイアログ３・・・後はイタ万であった気がしますが、詳しくは覚えていません。 これは万が一、インク漏れがあった時にペン先がクリップの位置にあることでこぼれるのを防ぐ目的があるらしいです。そもそも、然う然う漏れるものでもありませんが・・・。筆記するときにクリップが邪魔だ、という声もあるようですが、わたしはこの手の製品にはクリップは必須だと思っていますし、かといってノック側につけるのも確かに怖いかなと思いますので、この形状がベストでないにしろ、次善かなと考えています。 ニブユニットからコンバータの回転部分までが一緒にノックで繰り出されるようです。したがって、カートリッジか何かを刺していないと繰り出しがされません。これについては、カートリッジインクを使用する際につける金属製のキャップが付属していますので、インクを抜いて保管の際にはそれを装着すれば良いでしょう。 ただし、この筆記感がキャップレス全てに当てはまるものなのか、EF特有のものなのか、もしかしたらこの個体だけのものなのかは分かりません。が、少なくともEFに関しては穂先に沿ってかなり細いニブですので、柔らかさは感じると思います。 軸色や軸の太さ、半世紀もの間磨き込まれたキャップレスのシステムなどは次回御伝えしようと思います。 PR
