レビュー:MONTBLANC 220 Category:筆記具 Date:2014年06月29日 ペリカンと並んで万年筆の王道と言えばモンブランですが、わたしはあまりモンブラン社の製品を持っていません。ノブレスと古典ミッドナイトブルーくらいだったのですが、しなりのあるノブレスの書き味はとても気に入っていました。 どうやら、ビンテージモンブランのなかにはノブレスのように弾力性のあるしなるニブを持つ製品が多々あるとのことで、安く入手できないものかと探していました。 モンブラン社製品といえば、磨き込まれた黒色の樹脂というイメージですが、こちらはヘアライン仕上げの樹脂という、一風変わった素材で作られています。 ユーズド品なら、どんなに高くても一万円はしないでしょう。わたしも5000円ほどで手に入れました。最近はオークションにモンブランの偽物が出回っているようで、そこは注意が必要ですが。 まるで質の良い備長炭のような、さらさらとした手触りの美しい樹脂。ラミー2000と似ていますが、あちらはマクロロン樹脂を使っていたはずなので、もしかしたら同じ素材なのかも知れません。 俗に言う「ヌラヌラ」な書き味よりも、弾力性としなりのある細字が好きなわたしですので、モンブランは現行品よりもビンテージの方が合っていますね。220もクラシカルな形状の首軸とニブですが、大変弾力性に富んだ素晴らしい書き味になっています。 60年代の製品、ということは製造されて半世紀ほどが経過しているということですが、古くささを感じさせませんし、ちゃんと筆記できるのはさすがモンブランといったところ。このころのモンブランに唯一問題があるとすれば、尾軸のホワイトスターの外れやすさでしょうか。 ラミー2000は66年の発売ですから、ちょうど時期のかぶっていた製品ということになります。70年代になると一気に細軸の時代になりますが、やはりプロダクトデザインには流行があるんですね。ラミーとモンブランは同じドイツのメーカーですが、ある意味対極に位置していると思います。この二つが似ているのは偶然なのでしょうか。それとも・・・。 PR