レビュー:エルバン エンパイアグリーン Category:インク Date:2014年12月27日 もう年の瀬ですね。2014年はこのブログをはじめたりと、いろいろあった年でした。来年もよろしくお願いします。vertは古フランス語で緑。empireはそのまま皇帝ですね。皇帝の緑。ラベルに月桂冠のイラストが描かれていることから、皇帝の月桂冠がモチーフだと分かりますね。 エルバンのカートリッジインクはレトロな縦型の缶に入っていて、万年筆を使う喜びを感じさせてくれます。ムーンシャドウはファーバーカステルのベーシックシリーズに入れたり、エルバンのインクローラーに入れたりして使っていました。 大航海時代に質の良い封蝋の材料が手に入るようになってから、パリで創業したエルバン。歴史の流れを感じるメーカーです。エンパイアグリーンの名もダテじゃないですね。 種類が多いこともあり、ものによっては在庫切れになっているインクもありますが、基本的には定番品はずっとあるようです。限定で華美なボトルにシーリングワックスで封がしてあるインクも出しています。 古代ローマは王政から共和制、帝政へと政体が変化したのですが、共和制下のローマでは王を嫌う風潮があり、かのユリウス・カエサルは自らを王として戴冠しようとしたために暗殺されたという話もあるほどです。アウグストゥスは自らをアポロン神になぞらえ、その象徴である月桂樹で冠を作り、王冠になぞらえたわけです。ここから、皇帝と月桂冠のつながりが始まるわけですね。エルバンのインクはあまりにじみはないのですが、ドライアップや煮詰まりに弱いので気密性の高い万年筆でお使いになることをお勧めします。煮詰まるとものすごくにじむようになってしまいますので・・・。 PR