レビュー:AURORA Auretta Category:筆記具 Date:2014年04月30日 本日もある意味、王道からは外れた製品のご紹介です(笑アウロラ社のアウレッタという、いかにもアウロラっぽい名前の万年筆です。イタリアにはアウレッタという地名もあるのですが、おそらく関係ないかな? アウロラブラックを入れました。よく、カートリッジインクの降りが悪いときにカートリッジを指で潰すことがあるのですが、こと、アウロラのカートリッジについてはまったくお勧めしません。ヒビが入ります(笑 見た感じ、80年代くらいのデザインのような気がしますが、なんと1965年発売という時代を先取りした万年筆です。先進的デザインといえばパイロットのミュー万年筆ですが、あちらは1971年発売ですので、こちらの方が古いです。 後のアスティルにも通じる、ステンレスの円筒形の軸。キャップをポストするために尾軸が若干くびれているのですが、このくびれがキャップ側にもあるので、デザイン上のアクセントになっています。 アウレッタを語る上で外せないのが、このニブ。とんでもない形状です。横から写真を撮ると、まさに一枚の薄い板。果たして、後にも先にもこんな形のニブはあったのでしょうか。上から見ると爪ニブにも少し似ている気がしますが、全くの別物です。薄い板にペンポイントをつけた、というシロモノのため、書き味も独特。縦方向は節操のない柔らかさですが、横方向はまるで学級委員長のようにガチガチ。 アウレッタとアスティルに関しては、パーカーのスライドコンバータがいやにピッタリとフィットするので、純正以外のインクが使いたくなったらこれに頼ることにします。ちなみに、パーカーのQuinkカートリッジも刺さります。 このアウレッタも、実は相当のカラーバリエーションがありまして、樹脂軸やラッカー軸など、多種多様のモノがイタリアでは流通していたらしく、海外オークションでその名残を窺い知ることができます。 最後にアスティルと並べて。ステンレス軸とラッカー軸なので見た感じの雰囲気は異なりますが、細部のデザインには共通点が見て取れます。ebayにはアウレッタのボールペンモデルを含め、いろいろな種類が出回っておりますので、興味を持たれた方はご覧になるのもいいかと思います。 PR